栄養補助食品との付き合い方 vol.08
連載 在宅ワーク食
第8回 忙しい在宅ワーカーの味方!
栄養補助食品との付き合い方
こんにちは。在宅で管理栄養士ライターとして活動するWATAと申します。
今回のテーマは栄養補助食品についてです。
納期前など在宅ワークが忙しいときや、仕事に加えて家事・育児・介護などがあると食事を準備する時間はおろか、食事の時間さえ十分に取れないことがありますよね。
そんな時に頼れる存在が栄養補助食品です。
栄養補助食品は不足しがちな栄養素を補給できる優れものです。選び方や注意点など、栄養補助食品との付き合い方をご紹介します。
栄養補助食品とは?
栄養補助食品とは、名前の通り食事だけでは足りない栄養素を補う食品のことです。食品なので医薬品や医薬部外品ではありません。毎日の食事で十分な栄養素が満たされている場合は摂る必要がありませんし、たくさん食べると健康になるというものではありません。
栄養補助食品のメリット
栄養補助食品のメリットは不足しがちな栄養素を手軽に補うことができる点です。おにぎり・パンだけでもエネルギーは補給できます。しかし、そのような食事が続くとタンパク質やビタミン・ミネラルが不足してしまい、筋肉量の減少、肌荒れや免疫力の低下などを引き起こします。偏った食事によって足りない栄養素を栄養補助食品で補うことでバランスが良くなります。
栄養補助食品は料理をする手間がなく、食器も必要としないので、時間がないときにもバランスよく栄養補給ができます。
栄養補助食品は万能?
このような栄養補助食品ですが、これさえ食べれば良いというものではなく、あくまでも補助として活用しましょう。
栄養補助食品では糖質・脂質・タンパク質やビタミン・ミネラルは補給できますが十分な量ではありません。
また、食べ物には、主要な栄養素以外にも様々な成分が入っています。例えば、野菜には代謝を助ける酵素や抗酸化作用があるポリフェノールが含まれており、健康をサポートしています。栄養補助食品だけでは万能ではないと認識しておきましょう。
栄養補助食品は1個・1本あたり100kcal~200kcalのものが多いので1日に必要なエネルギー量を栄養補助食品だけで補おうとすると大変です。あくまでも忙しい日の補助として活用するほか、他の食品と組み合わせて摂るとエネルギー不足を防ぐことができます。
また、同じ食べ物が続くと、食の楽しみが無くなってしまいます。食事は単に栄養を補給すれば良いだけではなく、暮らしに潤いをもたらすものでもあります。同じものばかり食べ続けると、栄養素は全て満たせたとしても気持ちは満たされません。
在宅ワーカーの方は1人で食事をされる機会が多いので、せめて食事の内容だけでも気持ちが上がるものを選ぶようにしたいですね。栄養補助食品も、1つの種類に限らず、色々なものを取り入れてみましょう。
形態ごとの栄養補助食品の特徴
ブロックタイプ
クッキーのような食感で食べやすいものが多いです。エネルギー量は1個100kcal程度のものが多く、4本でおよそ1食分となります。ブロックタイプは満足感があるのでおすすめです。
バータイプ
シリアルやウエハースが配合されているので食感が良いことが特徴です。エネルギー量は100kcal~200kcalのものが多いです。プロテイン強化のバーが多く出回っています。
ゼリー飲料
ゼリー飲料は成分が分解されているので消化吸収が速いことが特徴です。そのため、過労やストレスで食欲がないときに便利です。種類によって1個あたりのエネルギー量が180kcalから20kcalと差があるので、味だけでなく栄養成分もチェックして選ぶといいですね。果物味が多くあっさりしているので暑い日にも食べやすいです。
ドリンク
液体なので最も手軽に摂取できることが特徴です。エネルギー補給がメインのものは1本でおよそ200kcalと高エネルギーのものが多いです。もったりとして濃厚な味が多いため、好みが分かれます。同じ栄養成分で色々な味が展開されていますので、自分にとって飲みやすいものを探してみるといいですね。
栄養補助食品を取り入れるポイント
栄養補助食品には、エネルギー重視のものや、タンパク質強化、マルチビタミン補給のものなど、種類によって栄養素の配合が違うものがありますが、まずは必要なエネルギーを確保しましょう。エネルギーが不足していると、身体の筋肉を壊してエネルギーに変えるため、筋肉量が減って痩せにくい身体になるほか、抵抗力が下がります。
普段の食事がまともに食べられないときはエネルギー重視のものを選びましょう。食事から十分なエネルギーが摂られるときは低カロリーのものでタンパク質やビタミン・ミネラルが補給できるものを選びましょう。
あくまでも補助なので、完全栄養食ではありません。身体を動かす機会が少ない方でも成人男性は1日2300kcal、女性は1700~1750kcalです。そのため、1個・1本だけでは必要なエネルギーが十分に補給できないので2~3個組み合わせたり、他の食品とセットにしたりしましょう。
栄養補助食品を買うポイント
少しでも時間があるときはよく噛めるものを選ぶ
栄養補助食品はできるだけよく噛めるものを選ぶようにしましょう。ゼリー・ドリンクのものは消化吸収が良いので、忙しい時や疲れているときに役立ちますが、あまり噛まないので満腹中枢が刺激されないので、満足感を得ることができません。
よく噛むことで、満腹感が得られますし、脳の血流量が増えて活発に動きます。さらに、唾液の分泌量が増えるので虫歯や歯周病・口臭を防ぐことができます。
買い置きしておくと非常食としても活用できる!
栄養補助食品は長期保存が可能なものが多いので、買い置きしておくと忙しいときにすぐ食べられるほか、非常時に役立ちます。
在宅ワーカーの方は特に、家での災害対策をしておきたいですよね。避難所での食事はおにぎり、菓子パン、カップラーメンなど炭水化物が中心のため、どうしてもビタミン・ミネラルが不足し、身体の抵抗力が下がるなどの不調が出てきます。普段から食べ慣れている栄養補助食品を備蓄しておくことで災害時に不足しがちな栄養素を補えられます。
プライベートブランドの商品もチェックしてみる
栄養補助食品は各メーカーから出されているものが多いですが、1個当たり200円~300円とやや割高です。値段が気になる場合は、ドラッグストアやスーパーなどのプライベートブランド商品を活用してみましょう。様々な栄養補助食品が出されており、価格も100円~200円とお手頃です。味もメーカーのものに劣らないものが多いのでぜひ試してみましょう。
栄養補助食品を適度に取り入れてバランス良く!
栄養補助食品を取り入れることで、時間がないときでもバランスの良い食事を摂ることができます。仕事や家事・育児・介護も身体が資本なので、忙しいときこそ自分の食を大切にして、健康を保っていきたいですね。
基本は3度の食事を大切にしながら、強力なサポーターとして栄養補助食品を活用していきましょう。