健やかな成長を!カルシウムがたっぷり丼のすすめ
健やかな成長を!カルシウムがたっぷり丼のすすめ
こんにちは。管理栄養士であり、スポーツフードアドバイザー、そして在宅ワーカーの山田美穂です。
子供をもつ在宅ワーカーさんにとって、仕事と家事・育児の両立は大変なものです。
また日々の成長は嬉しいものですが、特に成長期は身長が伸びるにあたり、骨の成長も著しくなります。
この時期にある栄養素をしっかりと摂ることで、心身共に健やかな成長を遂げることができます。つまり、成長期の食生活で将来が決まると言っても過言ではありません。
そこで、忙しい中でも短時間で用意ができ、栄養も摂れて後片づけも楽な「丼もの」を取り入れてみませんか。
今回は成長期の子供がいる在宅ワーカーさんへ、買い出し不要!家にあるもので成長期に大切な栄養素カルシウムがたっぷり摂れる丼レシピと栄養面についてお伝えします。
家族でおいしく健康づくりをしていきましょう。
成長期に大切な栄養素はカルシウム!
成長期の子供達は心身ともに発達が著しく、骨の成長も活発です。
骨を強くするためにぜひ摂ってほしい栄養素はカルシウムです。
この時期に骨を丈夫にしておくことで、スポーツをしている子供たちはパフォーマンス向上につながります。
また将来に向けて骨粗鬆症予防に、女性にとっては月経前症候群の緩和や出産のために大切な栄養素です。
<1日当たりのカルシウム摂取基準>
年齢 | 男子 | 女子 |
10~11歳 | 700mg | 750mg |
12~14歳 | 1000mg | 800mg |
参照:日本人の食事摂取基準2020年版
カルシウムを多く含む食品とは
カルシウムは牛乳やチーズなどの乳製品、小魚や豆製品、小松菜などの青菜類に豊富に含まれています。
部活動で運動を行う際は、運動による筋肉の増加・強化や発汗による水分補給が必要となりますが、牛乳は両方を同時に補える食品としておすすめです。
また、カルシウムの体内への吸収率は食品によって大きく異なり、牛乳・乳製品は約50%、小魚は約30%、青菜は約18%です。
多く摂ってもすべては吸収されないのです。
さらにカルシウムを摂りすぎてしまうと、鉄や亜鉛などのミネラルの吸収を妨げてしまいます。
下記の表を参考に、毎日適量を摂るように心がけましょう。
<カルシウムを多く含む食品>
食品名 | 1食あたりの目安量 | カルシウム含有量 |
牛乳 | コップ1杯(200g) | 220mg |
ヨーグルト | 1パック(100g) | 120mg |
プロセスチーズ | 1cm厚さ(20g) | 126mg |
干しエビ | 大さじ1杯(5g) | 100mg |
ししゃも | 3尾(45g) | 149mg |
小松菜 | 1/4束(70g) | 119mg |
水菜 | 1/4束(50g) | 105mg |
厚揚げ | 1/2枚(100g) | 240mg |
木綿豆腐 | 1/2丁(150g) | 140mg |
カルシウムを効率よく摂るためには
カルシウムは体内への吸収の際に、他の栄養成分の影響を受けやすい栄養素です。
加工食品に含まれているリン、食物繊維(ごぼうや芋類に多い)、シュウ酸(ほうれん草に多い)、フィチン酸(豆類に多い)はカルシウムの吸収率を低下させてしまう働きがあります。食べ過ぎには気を付けましょう。
一方、肉や魚に多いたんぱく質や、きのこ類に多いビタミンD、梅干しや柑橘類に多いクエン酸はカルシウムの吸収を促進する働きがあります。
また日光に当たると、体内でビタミンDが作られます。外で遊ぶことも大切です。
上手に食品を組み合わせてカルシウムの吸収を促していきましょう。
カルシウムたっぷりの丼で成長をサポート!
カルシウムを多く含み、吸収率も高い牛乳を使用した時短丼レシピを2品ご紹介します。
いずれも電子レンジで完結!わざわざ買い物に行かなくても家に常備している材料で作れる点も嬉しいポイントです。
お家で九州旅行⁉電子レンジでちゃんぽん丼
《材料:2人分》調理時間:約15分(炊飯・漬け込み時間除く)
・豚バラ肉 100g
【A】
おろしにんにく 小さじ1/4
塩 小さじ1/4
ごま油 小さじ1
こしょう 少々
・しめじ 20g
・にんじん 20g
・かまぼこ 30g
・キャベツ 60g
【B】
牛乳 1/2カップ
水 1/4カップ
みそ 小さじ1
鶏がらスープの素 小さじ1/2
【C】
片栗粉 大さじ1
水 大さじ1
・ご飯 2膳分
《作り方》
1.豚肉を2cm幅に切る。Aを合わせて豚肉に揉み込み、約5分おいて下味をつける。
2.しめじは小房に、にんじんは長さ3cmの細切り、かまぼこは1cm幅の薄切り、キャベツは1口大に切る。
3.Bを合わせてスープをつくる。
4.耐熱容器に1→2の順にのせ、3を注ぐ。軽くラップをかけ、電子レンジ600Wで約3分加熱する。
5.全体を軽く混ぜ合わせる。水溶き片栗粉Cを加えて混ぜ、ラップをかけずに電子レンジ600Wで約40秒加熱する。
6.丼にご飯をよそい、5を盛りつける。
《調理ポイント》
- おろしにんにくはチューブのものでもOKです。
- 電子レンジによって火の通り方が異なる場合があります。加熱時間は目安としてご活用下さい。
- 水溶き片栗粉を加えた際は、全体をよく混ぜ合わせるとダマになりにくいです。
- 本場のちゃんぽんはソースをかけて食べるとか。味変でお楽しみ下さい。
《栄養ポイント》
- カルシウム豊富な牛乳とカルシウムの吸収を助ける豚肉、かまぼこ、しめじを使用しました。一緒に野菜も摂れる丼です。
- さらにカルシウムを強化するには、キャベツを小松菜へ変更したり、水菜と豆腐のサラダなどを加えると良いでしょう。
カルシウムとたんぱく質たっぷり!カルボナーラ丼
《材料:2人分》調理時間:約5分
・ベーコン 4枚
・とろけるスライスチーズ 4枚
・ビーマン 1個
【A】
牛乳 90ml
塩 少々
こしょう 少々
・卵黄 2個
・黒こしょう 少々
・ご飯 2膳分
《作り方》
1.ベーコンは1cm幅に、ピーマンは細切りにする。
2.耐熱容器にチーズをちぎりながら入れ、Aを加える。
3.1を加えて軽くラップをかけ、電子レンジ600Wで約1分加熱する。加熱後よく混ぜる。
4.丼にご飯をよそい、3をかける。中央に卵黄をのせ、黒こしょうをふる。
《調理ポイント》
- スライスチーズは、ピザ用のチーズでも良いです。
- ベーコンはハムやウインナーに変更しても良いでしょう。
- 電子レンジによって火の通り方が異なる場合があります。加熱時間は目安としてご活用下さい。
《栄養ポイント》
- 子供が大好きなカルボナーラを丼にしました。チーズと牛乳でカルシウムたっぷりです。
- さらに粉チーズをかけても美味しいです。
- 野菜が少ないのでサラダやきのこのスープ、オレンジなどの果物を加えると栄養バランスの良い食事になりますよ。
時短料理でも大切な栄養素を逃さず健やかな成長を
成長期に必要な栄養素や食材を知り、上手に組み合わせることで栄養素の吸収を高めることは、成長期のみならず将来の健康に役立ちます。
また、お子様と食卓を囲み、カルシウムについて会話をしてみてはいかがでしょうか。
きっとお子様の食事に対する意識付けに繋がります。
ぜひご活用ください。
【参考資料】(最終観覧日:2022年4月20日)
大切な栄養素カルシウム:農林水産省 (maff.go.jp)