簡単な自炊方法とは? vol.11
連載 在宅ワーク食
第11回 忙しい在宅ワーカー向け!
簡単な自炊方法とは?
こんにちは。在宅で管理栄養士ライターとして活動するWATAと申します。
在宅ワークの最大のメリットは、自分の家の台所や冷蔵庫を自由に使って、いつでも料理できるところですよね。
自炊することで外食や中食より安く済むので、節約のために自炊される方も多いのではないでしょうか。
また、料理をするとストレス発散やリフレッシュにもなります。さらに、手を動かし五感が刺激されるため、注意力や記憶力のほか感情コントロールなどの脳機能が高まります。
ただし、忙しいと料理自体が難しいですし、自炊していても簡単にできるもので済ませがちですよね。朝食や夕食は家族と一緒に食べるのでバランスのよい料理を心掛けていても、自分ひとりの昼食は適当…という方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、自炊初心者の方や多忙な在宅ワーカーに向けて、忙しいときも簡単に、そして少しでも健康的な食事ができるおすすめの方法をご紹介します。
バランスよく食べないとだめ?
自炊では自分で食材を選んで味付けできるため、健康的にできる反面、食材が偏ると栄養のバランスが崩れることもあります。
昼食は適当にして、朝夕で栄養バランスの帳尻を合わす方法もできますが、健康のためはもちろん、仕事を集中して行うためには、肉や魚などのタンパク源や脂質、野菜を欠かさず摂ることをおすすめします。
おにぎりやパンだけの場合、血糖値か急激に上下するため、食後に眠くなり、さらに数時間経つと低血糖で急激にお腹が空いて、仕事の効率が下がってしまいます。
今までの連載においてもお伝えしておりますが、眠気や急な空腹を防いで、食後も集中して仕事に取り組められるようにするには、糖質だけでなく、タンパク質や脂質、食物繊維を摂って血糖値の上昇が緩やかになるようにしましょう。
自炊のメニューで気をつけることは?
自炊のメニューは、上記の通り、血糖値を緩やかに上げられるように気をつけましょう。
そのためには、できるだけご飯やパンなどの主食に、肉・魚・卵などの主菜、野菜や海藻類の副菜を合わせましょう。とはいえ、おかずを2品つくるのは大変ですよね。その場合は1品料理に肉または魚などのタンパク源と野菜を入れた料理にしましょう。
忙しくても自炊したい!おすすめの方法8選
では、忙しいときでも自炊できる方法をご紹介します。
1. 朝食・夕食からの取り置き、お弁当作り
自分の分だけの昼食を用意するのはめんどう!という方におすすめの方法です。朝食や夕食を少し多めに作って、在宅ワーク中の昼食に回します。家族にお弁当を作っている場合は、自分のものも用意しておくといいですね。お弁当箱に詰めても良いですが、ワンプレートに盛り付けておくだけでもOKです。洗い物が楽になります。
2. レトルトや市販品を活用
全部手作り、または全て買うといった方法に限らず、一部を市販品やレトルトに頼る方法もおすすめです。例えば、ご飯は炊いて、サラダは用意するけどメインのお肉はお惣菜を買う、買ってきたパンにゆで卵と野菜を挟んでサンドイッチにする、といった方法です。ほかにも、フリーズドライのお味噌汁に野菜を入れるだけでも、立派な1品になりますよ。焼くだけで良いハンバーグなどの半調理品も活用するといいですね。
最初から手作りしようと思うと大変に感じますが、市販品や冷凍食品、レトルト品を活用することで、楽に自炊を続けられます。
3. 1品料理で洗い物削減
時間がないときの自炊は、まずは1品料理からスタートしましょう。一汁三菜の献立は理想的ではありますが、忙しいとハードルが高いですよね。また、洗い物が多いので、たとえ早くできても後片付けに時間がかかります。
忙しいときはご飯におかずを乗せるのっけご飯や丼ものにすると調理の手間が少ないですし、忙しいときも手早く食べられます。カレーライスや牛丼、親子丼のほか、目玉焼きとウインナーをご飯に乗せるだけでも良いです。野菜を多めに入れると1品でもバランスが整います。ほかにも、肉と野菜が一皿でとれるシチューなどもおすすめです。
4. 在宅ワーカーは蒸し料理・煮込み料理がおすすめ!
忙しいときは「コンロに付きっきりにならない料理」を選ぶことがポイントです。そのため、蒸し料理や煮込み料理がおすすめです。
炒め物も時短料理ですが、付きっきりで炒める必要があるので、意外と手間がかかります。焼き物は焼き加減を見るために何度もチェックする必要がありますし、時間がないと生焼けや火が強過ぎて焦がすなどの失敗が多いです。
蒸し料理や煮込み料理の場合、加熱している間は手が空くので、火の元に気をつけながら仕事をしたり、洗い物ができたりするので時短になります。焦がす心配も少なく、多少加熱しすぎても問題ないので、料理初心者の方も比較的失敗が少ない料理です。
大きな蒸し器を使うのは大変なので、フライパンを使うと楽にできます。もやしやキャベツなどの野菜を敷いたフライパンに、白身魚や鶏肉、豚肉などを乗せ、焦げ付き防止の水を少量加えてから蓋をして加熱するだけです。電子レンジを使ってもできますが、加熱ムラや中まで火が通らないなどの失敗があるので、フライパン蒸しの方が簡単です。
煮込み料理は、保温性の高い鍋を使っても良いですし、フライパンを使うと表面積が広いので加熱時間が短くて済みます。さらに、煮込み料理は温め直しても美味しく頂ける点もおすすめポイントです。カレーなどのほか、ポトフや鶏肉の治部煮などもおすすめです。
5. 麺類よりご飯を選ぶ
主食はご飯がおすすめです。簡単なランチといえばパスタなどの麺類が思い浮かびますが、大鍋でお湯を沸かして、7分ほど茹でる工程が意外と時間がかかります。また、吹きこぼれや茹で過ぎを防ぐため何度も確認する必要もあります。
ご飯の場合、洗ってタイマーをかけておけば後は炊飯器にお任せできます。保存もできるので、多めに炊いて冷凍しておくと便利です。さらに、ご飯は麺類よりも腹持ちが良いですよ。
6. そのまま食べられる食品を常備しておく
タンパク質が多いちくわ、豆腐、卵、明太子、ツナ缶、いわしのかば焼き缶など、加熱しなくてもそのまま食べられる食材を用意しておきましょう。
生の肉や魚は切ったり加熱したりする必要があるため、時間と手間がかかります。さらに、日持ちしないので、忙しくてどうしても料理できない日が続くと傷んで無駄になってしまいます。
これらの食材は、そのままご飯に乗せて食べられるので、ついふりかけご飯やおにぎりだけになってしまう人におすすめです。
7. 野菜は洗うだけ・切るだけで手間なし!
野菜に含まれる食物繊維には、血糖値の上昇を緩やかにする働きや、便通を改善する働きがあります。ほかにもビタミンやミネラルが多く含まれており、身体の抵抗力を高めます。
ただ、忙しいと野菜を食べることが面倒になりますよね。そんなときは生でも食べられて、調理が簡単な野菜を用意しておきましょう。野菜に含まれる酵素は、加熱に弱いので、生野菜だと無駄なく酵素を摂ることができます。トマトなレタスの他にも、サラダほうれん草やパプリカ、オクラ、山芋などもおすすめです。好みのドレッシングを複数用意しておくと野菜を美味しく食べられます。
食べる野菜の種類が偏らないように、時間があるときや朝食・夕食では根菜など加熱する野菜も取り入れましょう。
8. 市販の調味料も活用する
料理初心者の場合や急いでいるときは、味付けが一発で決まる調味料を使うようにしましょう。おすすめは焼肉のたれ・すき焼きのたれ・めんつゆ・ポン酢・オイスターソースです。
味付けをするときは「少し薄いかな?」と思うくらいの量を入れて、足りなければ追加するようにすると減塩ができます。
忙しい時もできる自炊で節約&ヘルシーに!
自炊を続けることで、段取りが良くなり、さらに自炊に繋がります。健康は毎日の食生活の積み重ねでできています。バランスを少し意識するだけでも変わりますので、簡単な食材を活用しながら自分のできる範囲でやってみてくださいね。