果物のパワーとは? vol.07
連載 在宅ワーク食
第7回 おすすめの間食をご紹介
果物のパワーとは?
こんにちは。在宅で管理栄養士ライターとして活動するWATAと申します。
今回も間食についてお伝えしていきます。
間食で甘いものを食べたいときは果物がおすすめです。実は果物の摂取量は年々減っており、特に20代~40代は摂取量が少ないと言われています。果物は皮をむくのが面倒、といったイメージがありますが、手軽に食べられる方法もあります。
果物に含まれる栄養素やおすすめの果物をご紹介します。
果物に含まれる栄養素は?
抗酸化作用があるビタミンC
果物にはビタミンCが豊富に含まれています、ビタミンCには抗酸化作用といって活性酸素から細胞を守る働きがあります。活性酸素は過労やストレス、紫外線によって増え、細胞にダメージを与えて疲労や肌荒れ、生活習慣病などを引き起こします。そのため、仕事が忙しいときこそビタミンCが必要になります。
ビタミンCはコラーゲンの生成にも関わります。また、鉄分の吸収を促進したり、免疫系が適切に働くのを助けたりと、美容や健康のために働くビタミンです。
熱に弱く、水溶性のビタミンなので、生で食べる果物だと効率的にビタミンCを摂取できます。
塩分を排出するカリウム
果物にカリウムが豊富に含まれています。
カリウムはナトリウム、つまり塩分を排出する働きがあるので、高血圧の予防になります。
また、カリウムはナトリウムの濃度を調節して細胞に水分をため込まないようにするので、むくみの解消になります。
カリウムもビタミンC同様に熱と水に弱いので、生で食べる果物はカリウム補給にぴったりです。
便通を良くする水溶性食物繊維
果物にはペクチンと呼ばれる水溶性の食物繊維が多く含まれます。食物繊維と聞くと食べ物のスジを想像しがちですが、水に溶けてサラサラしたものもあります。そのため、桃など果肉がなめらかな果物にも水溶性食物繊維が含まれます。
水溶性食物繊維は水に溶けるため便を軟らかくする働きがあります。また、腸内の善玉菌を増やすので腸内環境の改善にも役立ちます。
さらに、血糖値の上昇を緩やかにする働きや、コレステロールの排出を促す効果もあるため、糖尿病や脂質異常症の予防になります。
果物を食べるときのポイント
適量を食べる
果物には様々な栄養素が含まれていますが、適量を食べるようにしましょう。
1日およそ200gが果物の適量です。果物のおよその重さは以下の通りです。
- りんご1個… 250g
- バナナ1本… 90g
- いちご8粒… 100g
- みかん1個… 75g
大きめの果物なら1個、小さめの果物なら2個までと覚えておくといいですね。
果物が野菜と違う点は果糖が含まれていることです。果糖は砂糖などと同様に1gあたり4kcalあるので、食べ過ぎると余分な果糖は中性脂肪として蓄えられるので肥満につながります。最近の果物は品種改良が進み、糖度が高いものが増えたので食べ過ぎに気をつけてくださいね。
シロップ漬け・ドライフルーツは避ける
シロップ漬けやドライフルーツは日持ちがして便利ですが、糖分が多いためあまりおすすめできません。また、加工されているため生の果物よりビタミンCが減っています。シロップ漬けやドライフルーツは果物の代わりにはなりませんので、食べる場合は少量にしましょう。
忙しい人向け!果物を手軽に食べる方法
食べやすい果物を選ぶ
まずは、切る手間がいらない果物を選んでみましょう。いちご、みかん、ぶどう、マスカット、バナナなどはすぐに食べられるので便利です。皮ごと食べられるマスカットだとさらに食べやすいですよ。
市販のカットフルーツを買う
市販のカットフルーツを活用しましょう。最近ではコンビニのデザートコーナーにカットされたりんごやパイナップルが売られています。また、スーパーは時期によってはスイカやメロンのカットフルーツが売っているので、1玉買うと食べきれないような果物が楽しめます。
事前にむいておく
仕事前にむいておくとすぐに食べられます。りんごをカットしておく、夏みかんやグレープフルーツの薄皮をむくなどして冷蔵庫にストックしておくといいですね。黙々と皮をむくのは良いリフレッシュになりますよ。
おすすめの果物をご紹介!
キウイフルーツ
キウイフルーツは1個あたりおよそ60㎎のビタミンCが含まれており、果物の中でもトップクラスです。1個食べると1日に必要な量のおよそ60%を摂ることができます。
タンパク分解酵素であるアクチニジンを多く含むので、消化を助けてくれます。
ゴールドキウイは甘みが強く、果肉がなめらかなので、グリーンキウイの酸っぱさやザラザラとした食感が苦手な方におすすめです。
オレンジ・みかん
オレンジ・みかんなど柑橘類の皮に多く含まれるリモネンには、リラックス効果があるほか、交感神経を活性化させて血行改善や脂肪分解の作用があります。
温州みかんの色素成分であるβ-クリプトキサンチンや、夏みかんなど中晩柑類に含まれるオーラプテンには、発がん抑制の効果があります。
柑橘類に含まれる「ソラレン」という物質は光毒性があるので、食べてから紫外線を浴びると日焼けしやすくなる恐れがあります。1日在宅の場合は問題ありませんが、出かける予定があるときは注意しましょう。
りんご
りんごにはりんごポリフェノールという強い抗酸化物質が含まれています。皮に近いう部分に含まれるので、皮ごと食べるといいですね。
また、水溶性食物繊維だけでなく、不溶性食物繊維のセルロースも多く含まれるので、腸を刺激して排便を促します。
バナナ
バナナは1本でおよそ1gの食物繊維が摂れます。また、バナナにはオリゴ糖が含まれている果物です。オリゴ糖は腸内の善玉菌のエサになるため、腸内環境を整えてくれます。追熟によってオリゴ糖が増加するので、黒い斑点がついているものを選ぶと効果的です。
いちご・ブルーベリー
いちごの赤色やブルーベリーの青色の成分であるアントシアニンには抗酸化作用があります。
さらに、アントシアニンは視覚に関わるロドプシンという物質の再合成を促進します。パソコン作業などで目を酷使するとロドプシンの再合成が遅れるのでぼやけて見えることやショボつきなど疲れ目の原因になります。アントシアニンを摂取することで視覚を改善することができるので、デスクワークが多い在宅ワーカーにおすすめです。
果物を取り入れて美味しく健康に!
いかがでしたか?果物には共通して含まれている栄養素と、種類ごとに違う栄養素がありますので、自分の体調や取り入れたい栄養素に合わせて果物を選ぶといいですね。
ご紹介した果物だけでなく、旬の果物にも栄養素が豊富に含まれており、季節ごとに様々なものが楽しめます。
市販のカットフルーツなどを活用しながら、習慣的に果物を食べるようにしたいですね。